2023年度 活動報告
- 2023年度 活動報告
本年度はコロナ禍がようやく収束に向かい、ほぼ通常の活動を行うことができました。
昨年9月に久し振りに、防災対策に関する提言書を市長に提出しました。本年早々、能登半島地震が発生しましたが、これを機に鎌倉市と地元住民との間の密接な連帯意識の醸成と地に足のついた対策の進展が期待されます。
総会については、4年振りに対面による総会を開催し、その後、新村暢宏氏(元陸将補)の「我が国を取り巻く安全保障環境」の講演を伺いました。 新年会は、高橋慎一朗・東大史料編纂所教授を講師として「幻想の都 鎌倉」と題した講演に会場は大いに盛り上がりました。また、会員間の親睦および市長をはじめ行政並びに議員との意見交流の場となりました。
理事会については、10回開催し、活発な議論を交わすことができました。 三日会会報は、会員間の情報共有の場としての役割を担っており、7月・10月・3月の3回発行しました。 ホームページについては、残念ながら新しい情報を更新することができませんでした。 来年度は役員改選の時期に当たるため、役員選考委員会を立ち上げました。
- 例会の報告
演題:『鎌倉の未来は明るい!なぜなら‥』
講師:千田勝一郎・鎌倉市副市長
平成31年1月に副市長に就任されて以来、例会での講演をお願いしてきましたが、新型コロナの感染拡大などにより度々延期され、本年、副市長二期目に入って、ようやく実現しました。
講演では、鎌倉市の副市長になって感じている「鎌倉の魅力」、行政の中で思う「鎌倉の課題」と「行政が誇る点」、そして「鎌倉の未来像」の四点について話しました。鎌倉の「魅力」は、三方が山、一方が海で山と海が一緒に見られる世界でも稀有な都市に、歴史的建造物と四季のある自然が合わせてあり、変わらない伝統と新しい価値を作る革新があることだ、と指摘しました。そんな鎌倉にある「課題」は、まず高齢化率が高いこと。市民税に頼る税収構造を考えるともっと若い移住者を増やさねばならない。40平方キロの中で観光地が居住地に重なっている鎌倉ではオーバーツーリズムの問題もある。また、地形的歴史的に制約のある鎌倉では下水道などのインフラ整備やガケ地対策にも費用が掛かる、と課題をあげました。
行政が「誇れること」としては、ゴミのリサイクル率が全国一。ゴミの量が4割になった。SDGsについても市の取組みは10自治体のモデル事業の第一号に選ばれた。市の施設は100%再生可能エネルギーを使っている。由比ガ浜の海はブルーフラッグに国際認証されている。ふるさと納税は二四億円で県内一番。浜に打ち上げられる海草で飼育した豚を「海草ポーク」としてブランド化した、などをあげました。
最後に、鎌倉の「未来像」について、鎌倉は大箱主義から脱却していく。テレワークが進みベンチャー企業も増えている。医療産業の拠点にもなりうる。使用済み洗剤容器をベンチに作り替えるなど資源の循環を鎌倉の中で行う循環型社会の最先端を目指している。歴史文化交流館に既にあるが、仮想現実VRを使ったデジタル観光の可能性もある。日本の伝統文化や精神、価値観を体感できる鎌倉を目指す。陽子線照射でガン治療のできる最先端医療で医療ツーリズムも鎌倉では行える。今の鎌倉ではさまざまな価値観の変換ができると、鎌倉の持つ将来の可能性について話し、講演を締めくくられた。
その後も、予定時間を超えて会員の質問に応じていただきました。
- 総会報告
2023年度鎌倉三日会定期総会が5月28日(日)午後2時より鎌倉市生涯学習センター第5集会室で、3年ぶりに対面で開催されました。
渋谷会長の開催挨拶があり、続いて荒井理事より、2023年度の議案は、会員数70名中、当日出席者29名、欠席のため会長一任31名の計60名の賛同を得て会員の過半数を超えた為、議案はすべて成立した旨の報告がありました。
定時総会の後に、『我が国を取り巻く安全保障環境 ― 軍事的・地政学的視点から ― 』と題する講演がありました。講師は、防大21期の新村暢宏・元陸将補。日本の地政学的特性、米中露の軍事戦略、日本を取り巻く軍事戦略的環境から、さらに領有権争いが生じている南シナ海の問題まで多岐にわたった安全保障問題が語られました。
- 2023年度活動方針
本年度は、3年ぶりにコロナ禍が収束に向かいつつあり、鎌倉三日会が目的とする「鎌倉市政の充実と市民生活の向上」に寄与するため、例会・分科会などの活動を再開します。
分科会については新しい視点から見直し、市民のより身近な問題を取り上げ、具体的な提案・提言を期します。防災対策に関する分科会については、早期に提言を目指します。 さらに市政の現状を把握し提言するため、市長をはじめ市のキーパーソンとの信頼関係を築き、常時コミュニケーションの機会が持てる環境づくりに努めます。
イベントや講演会などを行い、会員相互の親睦を深め、活発な交流の場を増やします。 これらの活動を全ての会員で共有できるよう、三日会会報やホームページの充実を図ります。創立70周年記念事業の一つである記念誌を発行します。
鎌倉三日会の活動を一層活性化するためには、すべての会員の参画を促すとともに、若い世代の幅広い人材を増やすことが喫緊の課題です。その目標に向かって、「若返り策検討委員会(仮称)」を設置し、具体的な方策を検討します。